2020.02.06
経営者様から、
「事業所や店舗に地震に保険をかけたい」という相談をいただくことが増えてきました。
基本的に事業者用の地震保険は
このような状況であると思っています。
では、この環境下で経営者の皆様は、どのように地震に備えたら良いのでしょうか?
オススメできる1つの方法をご提示したいと思います。
「事業の地震対策を検討しているのに、個人の保険?」
そう思われるかもしれませんが、個人で加入する地震保険を最大限利用することはとても大切だと考えています。その中でも、個人で加入する「家財」の地震保険が重要です。
これからその理由を説明していきます。
事業用の地震保険と比べた場合の、個人用の家財の地震保険のメリットは、
大きくはこの3つです。
デメリットは「保険料が会社の経費にはならないこと」くらいかもしれません。
家財の保険を活用する理由は2つ
まずは1の「家財の火災保険・地震保険に正当な金額で保険に加入している人が少ない」について説明します。
家財に対しての保険は、いまいち重要性が伝わっていないことが多く、ほとんどの人が「うちにはたいした物がないから・・・」と渋る傾向があります。
そうなってしまうのは、私の推測ですが、家電や家具の為の保険だと考えている人が多く、古くなればなるほど価値がなくなると考えている人がほとんどだから。
ですが、今の保険は新品で再度購入した時の価格を補償するので、古いから補償額が下がるという判断は保険を正確に理解できていないことになります。
さらに、「家財」とは家に入って目に入るものほとんどが該当します。服、靴、バッグ、化粧品、寝具、カーテン、食器、日用品、趣味の物、などなど。それらの総額を家財の補償額として設定できます。
「家財すべての総額なんてわからない」
という疑問はごもっとも。そこで、保険会社は火災保険のパンフレットに平均的な家財の金額一覧を載せています。情報を拝借して表を作りました。
想像している金額より高額だと感じたのではないでしょうか? でも、実際にはたくさんの家財に囲まれて生活をしている人がほとんどなのです。
しかし、実のところ、この表に合わせて家財の保険に加入する人はまずいません。家財の金額を過小評価して加入している人がほとんどです。つまり、その多くの人は、今よりも補償額を高くした家財の保険に加入することができるはずなのです。そして、その家財の保険こそ、地震の時に大活躍します。
続いて、2の「地震の被害は、建物より家財の方が大きくなりがち」についてです。
地震保険は、地震の被害にあったお客様のお宅に調査員がおもむき、現場を確認して、損害状況を4段階で評価します。
例えば、地震保険に1,000万円かけた場合、この評価によって支払われる保険金は以下のとおり。
建物と家財、それぞれ1,000万円の地震保険にかけていれば、建物・家財それぞれの評価のもと、保険金が支払われます。
ここで、地震後にTVで何度も放送される、揺れている最中の映像を思い出してみて欲しいのですが「建物が倒壊する」よりも「家具が倒れる・落ちてくる」映像の方がイメージが沸かないでしょうか?
最近の建物は耐震化が図られ、地震で潰れることは減ってきていますが、中に置いてある物はそうはいきません。写真のように、落ちて、倒れて、ぐしゃぐしゃになる可能性は十分にあります。
その可能性を考えると、大規模な地震が起きた際には、建物に比べ家財の地震保険は全損認定を受ける可能性が高いと考えられます。そして、事実、東日本大震災の東北での判定はそのような結果だったそうです。
以上のことを踏まえ、家財の補償額を十分に考慮して地震保険に加入することで、大規模な地震の際に保険会社からしっかりと補償してもらえる可能性が高まると考えられます。
「個人で保険に加入する」ということは、保険金は個人が受け取ることになります。
個人で地震保険金を受け取ると、その保険金は非課税。税金がかからないというメリットもあります。
また、地震保険は「被災者の生活の安定に寄与すること」が目的ですので、保険金の用途に制限はありません。つまり、家財を買うために使わなくも構わないのです。
したがって、個人で受け取った地震保険金を自分の法人に貸付することも可能です。
貸付した資金は、法人が軌道に乗ってから自分に返せばOKです。
【事業主の皆様が地震に備えるオススメの方法】
この方法を用いることで、費用対効果の高い地震対策ができると考えています。
因みに、賃貸にお住まいの経営者さんは「家財の保険?入ってたっけな??」といった感じでピンとはこないと思います。ですが実は、不動産屋で強制的に入らされる火災保険がそれなのです。義務で加入しているだけで、真剣にその保険の事を考える人はほぼ皆無でしょう。でも、その保険が地震の時には役立つんです。ぜひ、興味を持って頂きたいと思います。
会社と自宅が、地震の影響度合いが異なるほど遠く離れている場合には、この方法がマッチしないかもしれません。その点は状況に合わせ考慮の上、ご検討下さい。
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